奨学金返済のために、大学生のうちから出来ること「シミュレーション編」

奨学金・金融リテラシー

どうも、奨学金1500万プレイヤー阪大生のPEN(@PENwitmi)です。

 

奨学金を借りている大学生にとって、最も不安なことの一つは、滞りなく返済できるかどうかでしょう。

その不安がもとで、就職活動なども焦ってしまう人が多いと思います。

 

「就活に失敗したらどうしよう」

「手取りが少ない仕事だと返済できないかも」

「延滞し続けるとブラックリストに登録される」

 

こうしたネガティブな気持ちで大学生活の後半を過ごし、社会人を迎えてしまうのは、少しもったいないことだと思います。

 

人生を豊かにするために、奨学金を借りてまで大学に進学したのですから、幸せな生活を送りたいものです。

今回は、こうした返済に対する不安な気持ちを乗り越えるために、学生のうちからできることについて考えてみます。

 

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大学は、社会に出るまでの準備期間の延長

大学卒業が、人生の第2のスタート

 

「社会人」という言葉が示す通り、大学を卒業して働き、納税することが社会の一員であるというのが世間一般の考えです。

 

学生生活は、その社会の一員になるための準備期間とも考えられますね。

高校を卒業後すぐに働かず、奨学金を借りてまで進学を選んだのは、この準備期間を延長するためと言っていいでしょう。

 

せっかく延長した準備期間ですから、より万全な態勢を整えてから、社会に出るべきだと思いませんか?

 

奨学金を返済する準備を進める

 

我々奨学生にとって、納税と同じくらい(もしくはそれ以上に)家計を圧迫するのが、奨学金の返済です。

 

社会の一員になるための準備と言いましたが、この借金の返済に向けても準備を進めておくのが、賢い準備期間の過ごし方だと思います。

逆に言うと、何の準備もないまま突然奨学金の返済を始めるのは、少し無謀とも言えます。

 

奨学金で、手取りの収入は激減する

 

特に月額の返済額が3万円を超えてくると、社会保険料などよりも多くの出費になることが多いです。

つまり、他の人の倍以上、月々の給料から一定額が天引きされるのと一緒です。

 

ちなみに、私は合計約1500万円の奨学金を借りていて、毎月の返済額は66,458円です。

 

社会保険料や厚生年金料などを加えると、毎月12万円は何もしなくても差っ引かれていきます。

また、住民税がさらに別途で引かれる計算です。

 

これに加えて家賃、光熱費、通信費などの固定出費がのしかかりますから、何も考えずにヘラヘラと生活していては、すぐに破産してしまいます

 

大学生のうちに、奨学金返済の準備を進める

 

少し不安を煽るような言い方をしてしまいましたが、先ほど書いた内容はすべて事実です。

 

しかし、安心してください。

私はそこまでの不安を感じることなく、日々の生活を送れています。

それは、大学生のうちから、奨学金の返済を念頭において、様々な準備を進めてきたからです。

 

大切なのは、事前からの準備です。

誰でもできることから順に、やるべき準備について紹介していきます。

 

①生活にかかるお金を理解しておく

すべて具体的に計算をしておく

 

漠然とした不安の多くは、具体的な情報が足りていないことが原因と言われています。

 

奨学金の返済に対する不安であれば、月々の収入やそこから天引きされる金額、奨学金の返済額などがはっきり具体的にわかっていないことが原因です。

要は、返済しながら生活するイメージが全然できていないのです。

 

まずは、日々の生活の中で、どれだけのお金が手元に入り、どれだけ出ていくのかを、計算しておくことをオススメします。

 

とはいっても、まだ就職先が決まっていないうちは収入がわかりませんから、数パターンでシミュレーションしておくことになります。

そうすると、「これくらいの月収があれば生活ができるな」というのが具体的にわかるため、就職活動の際の参考にもなります。

 

給料と手取りの概算

 

参考までに、月々の給料(額面)と手取り額ですが、大体以下のようになります。

こちらは社会保険と源泉徴収税を計算したもので、住民税は含まれていません

 

給料 18万円 ⇒ 手取り 150960円

給料 20万円 ⇒ 手取り 167430円

給料 22万円 ⇒ 手取り 183980円

給料 24万円 ⇒ 手取り 200460円

 

『イージー給料計算』より(40歳未満、東京都の場合)

給与明細

 

住民税の計算方法は少々面倒なのですが、先ほど挙げた給料であれば、おおよそ年に10~14万円ほどかかると思っていただければ大丈夫です。

多くの場合は給料から天引きされていますが、場合によっては自分で支払うこともあります。

その場合でも、毎月1万円ほどずつ貯金すれば、住民税は支払えるでしょう。

(もちろん、その人の扶養家族の数や、生命保険料などによって変化します)

 

こうして細かなシミュレーションを行っていくことで、実際にいくらほどが可処分所得(使えるお金)として残るのかがわかります。

 

どんな家に住みたいのか

 

就職して、一人暮らしを始めるのであれば、固定出費として家賃や光熱費を考えておく必要があります。

 

実際に住むエリアによってかなり差が出てくるので、こちらは一度引っ越しサイトなどで簡単に見積もっておくことをオススメします。

例えば、東京で1LDKのマンションに住みたければ家賃は軽々と10万円を超えてきますし、地方であればその半額ほどで済むこともあると思います。

 

更に生活には光熱費や通信費がかかるため、家賃に加えて月々2万円ほどの余裕を見ておくべきでしょう。

夏場にエアコンなどをつけっぱなしにすると、電気代だけで数万円に達することもあります。

 

シミュレーションの結果

 

例えば、月の給料が22万円で、家賃が6万円の家に住むとします。

 

給料が22万円の場合の手取りは、183980円です。

ここから住民税の積立て1万円、家賃6万円、光熱費・通信費2万円の固定出費を引くと、残りは9万円ほどになります。

 

この9万円から、食費、交際費、奨学金の返済などをやりくりすることになりますね。

何かしらのローンや借金がある場合は、その返済も計算する必要があります。

 

このように具体的に計算することで、就職後の生活の見通しがなんとなく立ってくると思います。

具体的な計算というのは、奨学金だけでなくあらゆる借金返済で有効な方法です。

 

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②返済の目標を立てる

いつまでに完済したいのか

 

JASSOの奨学金は、例えば総額240万円(月5万円×4年)を借りていれば、月々15000円ほどを15年かけて返済します。

 

この15年という期間を、どうしても短縮したいという人もいるでしょう。

そのような場合には、ライフプランを見通しての返済目標を立ててみるといいと思います。

 

例えば、

「就職して5年以内に全額返済したい」

「30歳までにケリをつけておきたい」

「子どもが生まれるまでには終わらせたい」

など、想いは人それぞれです。

 

「〇年で返済する」というのはあまり実感が湧きにくいため、自分の人生のライフステージから逆算して計算するのがいいように思います。

 

他の借金の金利を考慮に入れる

 

JASSOの奨学金の金利は、年度にもよりますが、一般的な借金に比べて圧倒的に低金利です。

ですから、奨学金を早く返済してから他のローンを組んだりすることは、あまり得策ではないように私は感じます。

 

「車のローンを組みたいから、早く奨学金を返済する」

「他の借金に追われているから、奨学金だけでも早く返したい」

というのは、少し金融リテラシーが不足しているように思われます。

 

それであれば、奨学金の返済額を最低限に抑えつつ、他の借金の返済をしたり、ローンではなく現金で買い物をするなどが、より楽な生活に繋がるのではないでしょうか。

 

金利については、こちらの記事でも紹介しています。

 

③人生の目標を決める

自分の望む人生には、年収いくら必要なのか

 

先ほどは必要額から月収について考えてみました。

 

しかし、もう少しポジティブに人生を捉えるために、目標額から月収についても考えていくべきだと思います。

 

例えば、車を買いたい、家を買いたい、単純に月収〇万円になりたい、などが目標に挙げられます。

 

車の金額は年収の半分相当が相場と言われているので、例えば400万円の車が欲しければ年収800万円を目指すことになります。

手取りで月40万円の給料が欲しければ、月収49万円が必要です。

 

お金についてネガティブに考えるのをやめる

 

このように、将来の目標を数値化することで、お金の計算が楽しくなれば、しめたものです。

 

奨学金などの借金を返済することを考えていては、どうしても暗い気持ちになってきます。

私は毎月6万円を超える返済額なので、必要なお金の計算などをしていると眩暈がします。

就職活動前に考えたときは、人生に絶望することもありました。

 

気分転換として、目標や夢などのポジティブな計算をすることで、

「よし、そのために頑張るぞ」

という明るい気持ちになることが多々ありました。

 

お金は怖い、お金は悪だ、お金は汚い、というマイナスの思考回路から脱却すれば、それだけでも人生が豊かになる実感があります。

 

目標年収のために何が必要か考える

 

例えば、「この車に乗りたいから、28歳で年収800万円を目指す」と目標を決めたとします。

(このとき、「将来」というのは漠然としすぎているので、できれば具体的に何歳か決めることをオススメします)

 

そうすると、実際には自分の目指す進路や職種とのギャップが生まれることが多いです。

 

仕事を頑張って年収500万円になれたとしましょう。

300万円ほど足りませんが、年収が800万円になるまで待つ、というのは良くない策ですよね。

それだといつまで経っても達成できません。

 

そうならないためには、仕事の年収が500万円くらいになりそうと予想しておいて、別の方法で300万円稼ぐ準備をする必要があります

 

学生のうちから年収300万円をあげるのは難しいですが、そのためにどんな方法があるのかをサーチしておくことはできるでしょう。

 

現代の世の中は、一言に副業と言っても本当に様々なものがありますから、今のうちから自分に合った副業を探しておくことをオススメします。

私の場合、主にブログやサイトの執筆が趣味のように楽しんでできることだと分かったため、大学2年の頃から塵を積もらせるように取り組んでいます。

 

まとめ

 

奨学金の返済が始まるまでに、大学生のうちから準備が必要だということは分かっていただけたかと思います。

この記事で紹介したこと以外にも、様々なシミュレーションが可能なはずです。

 

「想定外」を減らすだけでも、人生に対する不安は大きく解消されます。

ぜひ一度試してみてください。

奨学金・金融リテラシー
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薬局薬剤師(管理薬剤師)/個別指導講師(高校生・薬学生)/メンター業/kindle書籍作家/マルチブロガー

家庭の事情で家から独立し、大学中退・再受験で奨学金1500万円を超える苦学生時代を経験。当ブログでは「薬学」「奨学金」「金融リテラシー」「仮想通貨」を発信。他複数のブログを運営。薬学生の国試対策の相談受け付けています。

大阪大学薬学部薬学科首席入学。
個別指導塾講師歴10年。
TOEIC公開テスト 925点。実用英語技能検定準1級。
著書『塾講師のいろは』『奨学金1512万でも破産せず幸せに生きています。』

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塾講師についてのブログを新たにはじめました。
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