どうも、奨学金1500万プレイヤー阪大生のPEN(@PENwitmi)です。
突然ですが、「金融資本」と「人的資本」という言葉を聞いたことがありますか?
これら2つの資本について理解することで、奨学金や借金返済のための大きな手助けになります。
昨今騒がれている老後2000万円問題にも繋がってくるので、ぜひ概要だけでもつかんでみてください。
金融資本と人的資本
言葉の意味
まずは言葉の定義について簡単に確認しておきます。
「金融資本」とは、土地や株式、不動産などのいわゆる資産に相当するものです。
語弊を恐れずにめちゃくちゃ簡単に言うと、お金そのものです。
それに対し、「人的資本」とは簡単に言うと”自分で稼ぐ力”のこと。
様々なスキルや資格なども、人的資本にかかわってきます。
金融資本にせよ人的資本にせよ、基本的にはどちらかに投資すると、生涯で得るお金が増えることになります。
金融資本に投資すると、純粋に財産が増えます。
それに対し、人的資本に投資すると、稼ぐ速度が増えます。
これらの資本の違いについては、NewsPicks Magazineのvol.5 summer 2019でも特集されていました。
若いうちは人的資本に投資するべき
この2つの資産は生涯においてどちらも非常に重要です。
どちらを優先すべきかは、年齢によって大きく変わってきます。
簡単にいうと、
若いうちは人的資本、
年を取ってくると金融資本、
に投資するのが良いとされています。
25歳のときに年収が100万上がるのと、55歳で年収が100万上がるのでは、生涯収入に3000万円もの差がありますよね。
年を取ってから年収を上げても、それを受け取れる期間はもう短いですから、それなら金融資本の方がコスパが良いということです。
人的資本への投資の例
人的資本への投資というと難しそうなイメージになりますが、大学進学などもれっきとした人的資本への投資です。
大学に進学すると、生涯収入は6000万円上がると言われており、中高生はここに投資するのがコスパが良いわけですね。
だから皆こぞって受験戦争に参加する(させられる)わけです。
人的資本がどうこうとか考えなくとも、感覚的なコスパの良さは理解できると思います。
これまでの日本人の怠惰
若いうちには人的資本に投資していくべきだと言いましたが、これにはお金の知識を付けることであったり、金融資本について学ぶことも含まれています。
しかし、ご存知のように、日本では大学生はおろか社会人になってもお金についてロクに学ぶことはありません。
本すらも読まないという社会人がたくさんいるわけです。
安定した生活と人生が保証されていた時代ではそれでもいいのかもしれませんが、今は激動の時代になりました。
老後に2000万円が必要だという金融庁の試算報告書も話題になりましたが、我々は政府や企業に自分の人生を任せられる時代に生きていないのです。
大学を卒業してから何一つ社会のことを学ぶこともなく、漠然と仕事をする日々を過ごしていては、生涯収入が上がることはありません。
まずは最低限、今の日本や世界についての動向について、少しでも知見を広げていきたいものです。
奨学生に必要な人的資本
奨学金を抱えてる我々に必要なのは、間違いなくお金に関する知識です。
資本主義というゲームの中で、ただでさえハンデ(奨学金)を負っているのに、ルールも知らずに生き延びるのは難しいでしょう。
例えばお金を今渡されたとしても、自分に稼ぐ力のないままそれを使い切ってしまったら、元の木阿弥です。
能動的にお金について学ぶ
受動的な学び
これまでの日本人の大多数は、お金についてほとんど学んできませんでした。
必要になったときに、必要なだけ、学ぶ。
こう言えば効率が良さそうですが、実際のところは必要な知識を付けることもできずに、時には人生が終わってしまうような失敗をするものです。
こういった記事が書かれると、「投資は怖い」という意見が出てきたりします。
しかし、ここに書かれているのは「投資」というよりは「投機」です。
「投資」と「投機」の違いすらも分からないまま、いきなり何千万円ものお金をつぎ込み、そして大失敗してしまうのです。
(すいません、もし違いを知らない読者の方がいたら、今後の人生のために今すぐググってください)
ちなみに、住宅ローンもれっきとした投資です。
それなのに皆がやっているから安心という理由で、特に調べたりもせず、契約条件も知らないままにローンを組んでしまう人もいます。
他にも「投資」という言葉には敏感に拒絶反応を示すのに、生命保険などで「毎年年金みたいなものがもらえますよ」と言われたらホイホイ契約したりしてしまう人がいるわけです。
学校で教えるのは学問的知識、専門的な技術だけで「お金に関する実際的な技術」は教えない。学校で優秀な成績をとったはずの銀行員や医者、会計士たちが一生お金のことで苦労しなければならない理由の一部はここにある。国家も同じだ。国家が財政難に苦しんでいる理由の一部は高い教育を受けたはずの政治家や政府の役人が、お金に関する訓練をまったく、あるいはほとんど受けないまま財政上の決定を行っていることにある
ロバートキヨサキ『金持ち父さん貧乏父さん』
もし飛行機を操縦したいという人がいたら、私はまず訓練を受けるように忠告する。投資の場合も同じだ。一番大切な資産、自分の頭脳にまず投資することが大事だ
ロバートキヨサキ『金持ち父さん貧乏父さん』
「習ってない」を言い訳にしない
こうしたお金の知識については、「学校で習ってないのが悪い」というような意見が出たりします。
その理屈だと、企業の高齢上層部にITリテラシーがないのも学校で教わってないのが悪いし、異性にモテないのも学校のせいだし、身についていないことは何でもかんでもそういうことになってしまいます。
言い方は厳しいですが、「必要だと思うなら自分で勉強しよう」という話ですね。
学校の責任にするのは簡単ですが、逆に今学校でそういった教育を提供したとしても、そういう人たちは決して学びに行くことはないでしょう。
そもそも学校でやっていたとしても、授業をちゃんと端から端まで聞いていたのでしょうか。
結局のところ、学ぶ姿勢の問題だと私は思っています。
iDeCo、NISAの出現
最近ニュースなどでも少しずつiDeCoやNISAについて取り上げられることが増えてきました。
こういったものを見たときに「なんだか難しそう」とか言って知らないままにしてしまうのが多くの日本人の悪い癖です。
今は情報時代ですから、調べたらすぐに答えが出てくるのに、それすらも怠ってしまうわけです。
(まぁ、この記事を読んでいる方は、まずこの記事にたどり着いた時点でちゃんと知ろうという意思がある方だと思いますが…)
ちなみにiDeCoとは、個人型確定拠出年金のことです。
要は年金の新しい形なわけですが、従来型の年金とは違いiDeCoには「投資」の側面が含まれています。
iDeCoにせよNISAにせよ、知らぬ間に日本人は皆「投資家人生」を歩む方向性になっているのです。
先日の老後2000万円報告書の内容にも、それらについての記載がありました。
この資料を読んでわからないことまみれだったとしたら、それは少しヤバイ状態です。
今からでも少しずつ、お金についての知識を付けていくべきでしょう。
ましてやこれから何十年も生き続ける我々世代には、必須のリテラシーです。
まずは本を1冊読んでみる
ネットの情報を理解するために
何について学ぶにも、今の世の中ではネットの情報は必要不可欠です。
しかし、ネットで得られる知識は断片的なものが多く、用語などの解説もあまりありません。
ですから、まずはそのようなネットの情報を理解できるようになるために、1冊は本を読んでみることをオススメします。
私は何かについて学びたくなったら、それに関連する初心者用の本を2~3冊選んで、軽く目を通します。
最近では「〇〇初心者のための教科書」というような似たような本が大量にあります。
これらの中から、適当に直感で本を選んでパラパラと読むのです。
そうすると、その分野のリテラシーが身に付き、情報の取捨選択もできるようになってきます。
自分に合っているかどうか、判断するために
例えば、不動産の投資に興味が湧いたとします。
そうすると、不動産サイトなどを見に行くのもいいですが、その段階だと載っている情報の意味や重要性がわかりません。
また、まだ興味を持った段階だと、自分にその副収入の特徴があっているのかどうかもわかりません。
ここで初心者用の本を読むと、おおまかではありますが、
「これくらいならやってもいい」
「こんな手間は絶対に嫌だ」
という感覚がわかります。
始めてから後悔する前に、やはりまずは本を読んでおきたいところです。
似たようなタイトルの本は、探せばいくらでも見つかります。
ブックカフェを活用する
始めるかどうかも分からないもののために、書籍を買うのには抵抗があるという人もいると思います。
私もそんな一人です。
私はそういうとき、ブックカフェを活用して情報収集をすることが多いです。
最近では本屋とカフェが融合したブックカフェが多くなりました。
こういったところでは、陳列されている本をカフェの席で読むことができます。
まずは無料で軽い情報収集をする、という段階では非常に役に立ちます。
いろんな場所にあると思うので、家の近くにあるブックカフェを探してみてください。
詳しくならなくていい
ここまで散々学ぶことについての重要性を説いてきましたが、私は何に関しても詳しくなる必要はないと思っています。
専門家のような詳しさは要らないけれど、単語を聞いて「あぁ、アレね」と思える程度のリテラシーを付ければいいのではないでしょうか。
単語を聴くだけで拒否反応を示すレベルと比べたら、圧倒的な成長です。
私は先日NPO法人CLACKにて、高校生を相手に「お金の授業」をしてきました。
この授業の目標は、知識そのものを付けるというよりは、自分で「知ろう」「調べてみよう」と思える程度にお金のハードルを下げることにありました。
知る姿勢さえあれば、情報は無限に転がっています。
私も特別な教育を受けたわけではありません。
理学や薬学を大学で学ぶ傍ら、隙間時間に色んな情報を収集し、自分なりに社会やお金について解釈していったのです。
皆さんにも必ずできることなので、ぜひお金の話から逃げない心構えを付けてほしいと思います。