金融庁の報告書ニュースを受けて【奨学金返済記】

奨学金・金融リテラシー

どうも、奨学金1500万プレイヤー阪大生のPEN(@PENwitmi)です。

 

最近は、年金制度の存続問題や、終身雇用の崩壊などをテーマに、「自助」という言葉が登場する頻度も増えました。

 

そして令和元年6月4日、金融庁の人生100年時代の金融資産についての報告書がニュースになり、話題になっていますね。

 

ネットの反応も様々です。

私も例外なく金融庁の報告書についてのニュースを見て知った人です。

 

これを見て思ったのは、

「うーん、ニュースはやはり内容が薄い…」

 

報告書そのものを見ると、ニュースなんかよりもよっぽど様々なことが書かれています。

例えば長寿化につきものである認知症の話であったり、現在の金融環境から、今後考えられる対応などなど…。

 

リンク>>金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」

 

今回はその報告書のほんの一部を紹介しつつ、思ったことを徒然なるままに書きます。

私のスタンスは、「もう国に文句を言っても仕方ないんだから、そろそろ皆腰を上げたらいいんじゃないかな」という感じです。

 

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金融庁「老後に2000万円の貯蓄が必要」

なぜ2000万円も必要?

 

ニュースのタイトルにも大きく取り上げられているのが、こちらの数字です。

この2000万円の数字の根拠についても報告書ではきちんとまとめられていて、

 

年金などの収入と、生活における支出の差し引きで、毎月約5万円不足

20年間で1300万円、30年間で2000万円が必要

ただし老人ホームなどの特別な支出は計算していない

 

ということになっています。

 

退職金の今後

 

現状、多くの人の老後の資産源としては「退職金」が大きな割合を占められていますよね。

 

しかし、冒頭でも述べた通り、終身雇用は終焉を迎えつつあります

終身雇用が終わるということは、勤続年数に応じた退職金制度も、崩壊することを指します。

 

この退職金という概念がどのように変化していくのかは、とても気になるところです。

報告書でもこのことについて触れられているので、一部を抜粋します。

 

このように多様なスキルを身につけ、そのスキルを生かしながら、一つの企業に留まらず働くということは、長く働き続けることができる可能性を高めうる。その一方、退職金が一定の勤続年数に応じて発生する又は勤続年数に比例して増加する形式の場合、転職が多い者や自営業も含め企業や組織に留まらない働き方の者は退職金が受け取れないか、退職金があっても低い水準になる可能性がある。すなわち、一つの企業に留まらない働き方は、多くの者にとって老後の収入の柱である退職金給付という点で不利な面もある

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」

 

資産運用をしない(してこなかった)日本の高齢者

金融庁の報告書抜粋

 

現在の金融環境に絡めまして、報告書では日本国内の高齢者の金融資産について軽く触れられています。

 

簡単にいうと、

「海外の高齢者はちゃんと金融資産増やしてるけど、日本は横ばいだよね。一応日本でも制度は整えつつあるよ」

という内容です。

 

なお、米国では 75 歳以上の高齢世帯の金融資産はここ 20 年ほどで3倍ほどに伸びている一方、わが国の同年代の高齢世帯の金融資産はほぼ横ばいで推移しており、対照的な動きとなっている。米国では、市況が好調だったことに加え、401(k)プラン等の制度的な後押しもあり、現役期から資産形成を実行し且つ継続するとともに、そのような世代が歳を重ねるに従い、高齢世帯の資産が増加していったと推察される。この点、わが国でも後述するつみたて NISA や iDeCo 等が整備され、個人が長期の資産形成を行うに際して、制度的な環境が整いつつある

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」

 

「資産形成しろよ」というメッセージ

 

さて、先ほどの文章をどう捉えるかについては人それぞれだと思いますが、私にはこんな感じに聞こえます。

 

「日本人、外国を見習ってちゃんと資産形成してくれ」

 

更に後押しでこんな文章も。

 

別の調査では「老後に向け準備したい(した)公的年金以外の資産」 として「証券投資(株式や債券、投資信託など)」を挙げた者は2割以下に留まり、実際に投資を行っている者の割合はこれよりもさらに低い水準となっていることが予想され、意識と行動に乖離があることが窺える。投資による資産形成の必要性を感じつつも、投資を行わない理由として上位を占めているのが、「まとまった資金がない」、「投資に関する知識がない」、「どのように有価証券を購入したらよいのかわからない」という回答であり、顧客側の問題に加え、金融機関側が顧客のニーズや悩みに寄り添いきれていない状況が窺える。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」

 

「金融機関側が顧客のニーズに寄り添え切れていない」という言葉で占めているものの、「顧客側の問題に加え」という言葉を挿入したあたり、

 

「君たちにも問題の一端はあるよ」

 

というような意思を感じなくはありません。(私がひねくれているのでしょうか)

 

実際のところ、就職氷河期からずっと非正規雇用でギリギリの生活をしている人はともかく、多くの人が、学んだり知ったりすることを避け続けている現状があるんじゃないかと私も感じます。

 

NISA、つみたてNISA、iDeCo

まず、これらの制度を知っていますか?

 

さて、報告書では日本の個人金融制度として、大きく2つの内容が取り上げられました。

それが、NISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)です。

 

そこで読者の方に聞きたいのですが、

「これら2つの制度、ちゃんと理解してます?」

ということ。

 

詳しく解説するとそれだけで記事が2つずつくらい書けてしまうので割愛します。

 

私の個人的な感覚ですが、日本人はこういう金融に関する制度に関して非常に無頓着です。

 

無頓着というか、お金が絡んだことはすべからく、調べることすら「汚いこと」だと思っているのではないかとすら思います。

 

そしてよく知らない、知らないからわからない、わからないから見て見ぬふりをする、みたいな状態な人をよく見かけます。

(私のまわりだけなのかもしれませんが)

 

一応報告書の資料にも登場する

 

今回は報告書関係で3つの資料が上げられていて、そのうちの一つがこちらです。

リンク>>金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」 資料

 

こちらは主に図で報告書の概要を説明しているもので、その中につみたてNISAやiDeCoについて登場しています。

非常に簡単にではありますが、軽く目を通してみるといいと思います。

 

ただ、全くの無知の状態でこれを見ても、説明がないと少し分かりにくいかもしれません。

そう言う意味では、自分の知識を試すつもりで覗いてみるのもありでしょう。

 

私の個人的な意見

 

さて、この先は私自身の主観であり、報告書の内容とは直接関係がありません。

内容を知りたい方は、ぜひご自身で本文を読んでください。(その方がよっぽどタメになります)

 

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」 資料

「高齢社会における資産形成・管理」参考資料

 

自分で何とかするほうが精神的にコスパがいい

私の感じていることをまとめると、以下のようになります。

 

「教わってない、聞いていない」を言い訳に、知ることから逃げながら、「国が何とかしろ」と言い続けるの、なんかコスパ悪くないですか?

 

反論なども多くありそうですが、私としてはこんなスタンスです。

 

「こうなることはわかっていたんだから、制度改正するなりどうにかできただろ!」と政府に文句を言うのは自由です。

 

しかし私は、国や政府に対しては1ミリも期待していないので、そもそもどうにかしてもらおうとすら思いません。

 

「こうなることはわかっていたんだから、知識を付けるなりどうにかしよう」と周りに対して思ったりもします、強要はしませんけれど。

 

「よくわからない!勉強はいや!国が何とかして!」と言い続けて、ゴリゴリ消耗していくの、なんだか悲しいじゃないですか。

それなら、そのエネルギーを使って知識武装する方が、幾分かコスパが良いと思っています。

 

国や企業に期待し続けても仕方ないから、自分でどうにかするよ、ってことです。

 

今回のニュースを見て、どう「変わった」か

 

ニュースに対する反応は人さまざまですが、皆さんはどう感じましたか?

 

今回のニュースを見て、「嫌だな」とか「どうしてくれるんだ」という負の感情を爆発させても、現実は何も変わりません。

 

「2000万円必要なのか、じゃあこんなことをしないとな」とか、

「あんまりよくわからないから、こういうことから知り始めよう」とか、

そういう何かしらの「アクション」(変化)に繋げれば、皆のプラスになると思っています。

 

「わかった。まぁ何とか自助で頑張ってみるから、国もとりあえず足掻いてみてよ」

 

くらい、上から目線(?)でニュースを見れるようになれば、精神衛生的にもGOODです。

 

奨学金1500万プレイヤーとして

 

なんだかすごく強者の意見っぽい雰囲気になってますが、私はどちらかというと経済弱者の下の方にいます。

私がこんなにも楽観視しているのは、自分が1500万円の奨学金を抱えているからなのかもしれません。

 

というのは、目に見えてわかる(計算できる)必要額が、1500万円から3500万円に変わっただけで、結局頑張らないといけないことに変わりはないからです。

 

もとより、1500万円返済して終わりだとも思っていませんでしたし、なんなら老後には1億円くらい貯めておきたいなと思っていたので、「たった2000万円でいいの?」くらいの感覚です。

 

皆さんは、これまでは「0円の貯金で済んだはずなのに、2000万円必要になった」と感じていますか?

多分そんなことはなくて、「あんまり具体的にはわからないけど、とりあえずお金は貯めておかないとな」くらいの感覚だったんじゃないかと想像します。

 

そう考えると、実は別に何も状況は変わっていないのです。

 

国がようやく自助の必要性を認めたので、なんなら金融教育なども変わっていき、全体としていい方向に進む可能性すらあるんじゃないかと考えています。

まぁ全然期待はしていないんですけれども。

 

奨学金1500万円を抱えている私ですら「何とかするしかないよね」と思えているので、普通(とは?)の方ならもっとどうにかなるんじゃないでしょうか。

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

最後に、また報告書より引用して締めたいと思います。

 

これを見据えて、今何ができるか、何をすべきか。標準的なモデルが空洞化しつつある以上、唯一の正解は存在せず、各人の置かれた状況やライフプランによって、取るべき行動は変わってくる。今後のライフプラン・マネープランを、遠い未来の話ではなく今現在において必要なこと、「自分ごと」として捉え、 考えられるかが重要であり、これは早ければ早いほど望ましい。…(中略)…この報告書が契機の一つとなり、幅広い主体に課題認識等が共有され、各々が「自分ごと」として本テーマを精力的に議論することを期待している。

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」

 

奨学金・金融リテラシー
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薬局薬剤師(管理薬剤師)/個別指導講師(高校生・薬学生)/メンター業/kindle書籍作家/マルチブロガー

家庭の事情で家から独立し、大学中退・再受験で奨学金1500万円を超える苦学生時代を経験。当ブログでは「薬学」「奨学金」「金融リテラシー」「仮想通貨」を発信。他複数のブログを運営。薬学生の国試対策の相談受け付けています。

大阪大学薬学部薬学科首席入学。
個別指導塾講師歴10年。
TOEIC公開テスト 925点。実用英語技能検定準1級。
著書『塾講師のいろは』『奨学金1512万でも破産せず幸せに生きています。』

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