どうも、奨学金1500万プレイヤー阪大生のPEN(@PENwitmi)です。
薬剤師国家試験が間近だというのに、塾講師を続けていてなかなか勉強時間を確保できないでいました。
結局1月7,8日に受けたREC模試は178点(51.6%)しか取れず、さすがに焦って13日に勉強を本格的にスタートしました。
その結果、1月末の薬ゼミ模試Ⅲでは無事に226点取ることができました。
17日間で、48点上げられたことになります。
今回は、この17日間にやった勉強内容、勉強で意識したことなどを共有します。
当然ですが、同じことをやれば点数が上がるという保証はありません。
共感できるなと思った部分に関して、参考にしてもらえたらと思います。
模試の結果を自己分析する
現状を把握する
まず私は、毎回の模試の結果をエクセルで表に打ち込んでいました。
薬ゼミから返却される模試は、数字が多すぎて読みにくいです。
全国平均や校内平均は必要ありません。
まず自分の点数と、領域別の割合だけでも表にしてみると分かりやすいです。
そうすると、やるべき優先事項を間違えにくいです。
(他の記事に載せているので参考にしてください)
自分に必要な勉強を選ぶ
もちろんどんな勉強でも力にはなると思いますが、まずは「伸びしろの大きいところ」から攻めるのがテストの基本です。
点数というよりは、得点割合が低いところから勉強するのが個人的にはいいと思います。
35/60と18/40では後者の方が点数の伸びしろは小さいですが、後者の方が割合的に伸びしろが大きいですよね。
こういう科目は基本を押さえるだけでグッと点が伸びたりするので、優先順位は高く設定しました。
薬剤師国家試験の勉強で意識したこと
関連事項をすぐに復習する
たとえば薬理の勉強中にエリスロマイシンが登場したら、「これはマクロライド系の抗生物質だ」となります。
ここで終わらず、他の関連事項をどんどん頭の中で繋げておきます。
「エリスロマイシンの作用点は何だ?(薬理)」
「そういえばエリスロマイシンの相互作用は何だったかな?(薬剤・実務)」
「H.pyloriの治療に使うんだっけ…?ほかの薬の薬理作用は?(病態)」
と疑問に思ったことはすぐに調べます。
そして、薬理の勉強をしたところに、きちんと書き足しておきます。
こうすると、一度勉強した内容は何度も見直すことになるので、そのうち覚えていました。
知識を埋める
模試の解説などを読んでいると、薬理作用などで途中の細かい部分が省略されていることが多いです。
例えば「モサプリドは5-HT4受容体を刺激することで、Ach濃度を上昇させて腸蠕動運動を促進する」など。
こういう省略文を見たら、その間に起こっていることを思い出します。
思い出せなかったら、きちんとどこかにまとめておきました。
細かすぎるとキリがありませんが、受容体の種類やセカンドメッセンジャーがどうなるのかくらいは、注意して確認するようにしていました。
特に薬理や治療の範囲は「まず一つのストーリーがあって、そのストーリーの一部が切り出されて出題される」という意識を持っていると、対応できる範囲が一気に広がる印象です。
単純に暗記するのではなく、このストーリーのレパートリーを増やしていくことが私には良かったです。
知識を繋げる
1対1の記憶を極力なくすことを心がけていました。
例えばさっきの続きだと、ほかにcAMPを上げる方法や、逆に下げる方法もまとめて図で理解するようにしていました。
汚い字ですいません。
この写真は少し古いのですが、実際はさらにコレラ毒素もこの図に書き込んでいました。
こうすると、1つ復習するたびに3,4個の知識を定着させることができます。
具体的には、何かの受容体を阻害する薬が出てきたら、
他の同じ作用を持つ薬
逆に刺激する薬(もしくは病態)
別の受容体だけど結果が同じ薬
をまとめて確認して繋げていました。
時間がかかろうが、浅い勉強をしない
浅い単純な暗記や、1対1で覚えていることはすぐに忘れてしまいます。
何度も何度もやったら覚えられるとは思いますが、そんなに何度も回数を稼げるほど範囲は狭くありません。
なので、短期間だからこそ、1つ1つの項目に本気で取り組んでいました。
結局忘れてしまったら、時間の無駄だと考えたからです。
特に私は暗記が苦手かつ嫌いなので、本気で深く理解することを心がけました。
国試勉強の流れ
国公立大向けの薬ゼミ直前講義
11月末に卒論発表を終えた翌日から、薬ゼミの集中講義がありました。
それまで国家試験対策はノータッチだったので、この講義は全コマ本気で集中して聴いていました。
9科目を11日かけて解説(薬理と病態・薬物治療が2日ずつ)されるので、講義速度はかなり速いです。(通常の8倍速とか言ってたような気がします)
それでも青本はしっかり一冊終わってしまうので、内容はかなり厳選されているように感じました。
薬ゼミの講義内容だけに絞って、理解ベースで復習する
結局自分で勉強を本格的に始めたのは、1月13日からでした。
まずは、講義でやった範囲だけを、理解していく作業をしました。(インプット)
「暗記は最終手段」と考えて、どうしても暗記しなければならないことをメモ帳にまとめました。
ノートだと持ち歩きにくく、隙間時間に確認しにくいので、私はメモ帳を使っています。
日本語の文章を書くのは時間がかかりすぎるので、キーワードを書き残しておくような感じでメモ帳を作り上げていきました。
インプットが終わったら、模試を解いて解説を読んで、を繰り返す
青本の内容をある程度インプットしたら、これまでに(ほとんど勘で)受けてきた模試をやり直しました。
一気にインプットして、一気にアウトプットしてみて、抜けているところをインプットしなおす、という流れです。
スタートアップ模試、薬ゼミ模試Ⅰ、薬ゼミ模試Ⅱ、REC模試と4回分あったので、量としては困りませんでした。
例えば、
→スタートアップ模試の薬理の問題をすべて解く
→解説を読んで、理解とメモ帳を補う
→薬ゼミ模試Ⅰの薬理をすべて解く
→解説を読んで…
といった感じです。
一切インプットしていなかった範囲は割と軽視して、インプットしたのに解けなかった問題の内容を完璧にしていきます。
メモ帳に書いていなかった新しい情報などは、どんどん書き足すようにしました。
もちろん書き足すときには、その周りの知識を復習します。
すべての模試が終わる頃には、割と色んな知識が付いていました。
模試を解いて知識を付けるのに、1回分でだいたい50~90分くらいかかるので、4つの模試で4,5時間くらいかかっていた気がします。
青本でのインプット時間と、模試を解いて解説を読み込む時間が、ほとんど同じくらいでした。
知識と知識を繋げて、単発の知識を減らす
復習したことやインプット済みのことで、関連している内容を一つにまとめていきました。
薬剤でエリスロマイシンが登場したら、薬理のエリスロマイシンの内容を確認したり。
PDE阻害薬が登場したら、他の疾患でのPDE阻害薬を確認したり。
そうして、できるだけ単発の知識を減らしていきました。
科目別の勉強時間
それぞれの科目にどれくらいの時間をかけたのか、記録を元に書いてみます。
時間はほぼ純粋なインプットで、模試を解いて…という時間は含まれていません。
結構色々と勉強していますが、その中でも特に重要だと感じたところを紹介します。
生物:(8時間)
生物については、1月頭までの間に勉強していたので、17日間の間には何もしませんでした。
12月の勉強で最初に取り掛かったのは生物ですが、結果的に正解だったと思います。
薬理病態や衛生などで必要な知識が多くあるからです。
生物でやっておくべきことを列挙するなら、
免疫とIL(インターロイキン)、血小板血栓の仕組み、グラム染色と菌の種類、DNAウイルスかどうか、ですね。
もし高校生物をやっていない人なら、これに加えてホルモンの働きを押さえておくといいと思います。
薬理:(7+)8時間
薬理も1月頭に半分くらいの範囲を終えていて、17日間の間にインプットにかかった時間は8時間でした。(合計15時間)
薬理ではまず、受容体とGタンパクの組み合わせを完璧に覚えることと、各イオンの流入・流出の意味を理解するところがスタートです。
Gタンパクが覚えられたら、そこからα受容体β受容体、M受容体の知識を繋げておきます。
そして、血小板血栓の仕組みとGタンパクの働きも繋げておくと、結構良かったです。
他には、PDE阻害薬を中心に、cAMPが上昇すると何が起こるのかを順に理解していきました。
抗生物質の種類と名前をある程度ここで確認しておくと、後々役に立ちましたね。
あとは、生物の知識と肝炎ウイルス治療薬の作用機序を繋げたりしていました。
ついでに、結核治療薬、ピロリ除菌の薬も覚えておくと吉でしたよ。
他の科目でもいっぱい登場してきます。
病態・薬物治療:(5.5+)6時間
生物と薬理を本気で勉強していたら、この範囲はあまり新しく覚えることは少なかったような印象です。
「○○の治療薬はコレ」で終わらせなかったのがミソだと思います。
もともとの状態、なぜ病気になるのか、薬は何に作用するのか、その薬は他にどんな適応があるのか。
パッと思いつかなければその都度確認、そしてメモ帳に補足しておく、ということを延々としていました。
実務:8.5時間
実務の勉強は、相互作用と、イエローレター・ブルーレターを中心にしました。
一言に相互作用といっても、注射や散剤など多数ありますが、とりあえず赤字のところは大体確認したなという感じです。
ここでも、登場した薬の名前で終わるのではなく、その都度その薬理作用を確認していました。
薬理も薬物治療も終わっていたので、基本的にはわかるはずだったからです。
とはいっても、なかなか覚えていないので、結局薬理のメモを何度も読み返すことになりました。
「あれって確かこうだよな…?」みたいな曖昧を一切妥協しないのがポイントだったと思います。
薬理のメモを見るだけではなくて、他に禁忌などはないのかなど、実際の添付文書を見て確認していたのも効果があったと思います。
私はヤクチエというアプリを使って、添付文書をささっと検索しています。参考までに。
また、イエローレターとブルーレターについては、青本に載っていることではなく、基本的にはその原本を見るようにしていました。
PMDAのホームページで見れますので、ぜひご確認を。
面倒かもしれませんが、青本より当然正確ですし、記憶にも残りやすいです。
緊急安全性情報(イエローレター)・安全性速報(ブルーレター)|行政独立法人 医薬品医療機器総合機構
衛生:4時間
衛生では、CYP代謝の基質になる薬を、薬理や実務の内容と関連付けしました。
実務でも同じようなことが登場していますが、赤字の薬が違っていたりするからです。
「喫煙で1A2が誘導される…1A2で代謝される薬って他になんだ?1A2絡みの禁忌薬はあったか?」
といった感じです。
あとは、感染症の分類を、抗生物質と見比べながら理解を進めました。
例えば、
「VREは第五類感染症(全数報告)か…治療薬はなんだっけ。他に全数報告って何があるんだ?それの治療薬は?」
といった感じですね。
公衆衛生系については、他の科目では一切触れないことが多そうだったので、軽く全体的に流し読みしました。
(結局模試で深く確認することになりました)
薬剤:9時間
薬剤で登場する輸送単体の基質は、例によって薬理作用や何と相互作用するのかも併せて確認しておきました。
薬物動態の計算は、公式を覚えるというよりは理解するようにしておくと、演習で忘れても自分で導出できたので困ることはありませんでしたね。
なぜその式が成立するのか、一つ一つ確認しておく方が、実は最短経路だと思います。
(公式暗記がめっちゃ得意な人なら、そのまま覚えた方がいいのかもしれません)
法規:5時間
ぶっちゃけ、法規は覚えるしかないことが多いです。
強いて言うなら、規制薬物の法律については、具体的な商品に置き換えて考えるようにしていました。
「実習のとき、エフピーはどうやって管理していたっけ」
「麻薬帳簿はここにあったな」
「そういえば毒薬は別の棚だったな」
といった感じですね。
あとは、なぜそうなっているのか理由まで考えてみると、「当たり前か」と思うことも多かったです。
「薬局の開設許可は…コンビニより多いのにいちいち大臣が見るわけないか」とか。
法規も、なるべく知識が一方通行にならないようにしていました。
例えば「薬食審って結局何やってるんだ?」といった逆質問ですね。
物理:4時間
すいません、物理については、高校化学が大半を占めているので、あまりしっかりとは勉強していません。
測定方法系以外は、ほとんど読んだだけにとどまっています。
測定機器については、例えば光源などは一つ一つ純粋に暗記しました。
化学:1時間
私は有機化学が得意なので、1時間程度で生合成経路を軽く確認しただけで終わりました。
有機化学が苦手な人だと、ここはひょっとすると厳しいかもしれません。
自分でうんうん唸るよりは、得意な人に教えてもらうのが一番早そうです。
模試の演習:46時間
ご覧の通り、ダントツで時間がかかっています。
期間内の9科目の勉強時間合計が45.5時間なので、模試でアウトプットしながら理解してる時間とほぼ同じですね。
ただ単純にインプットするだけだと、頭の中をすぐに通り過ぎてしまうので、ガッとインプットしてガッとアウトプットするのが良かったです。
全9科目での合計なので、1科目では平均5時間くらいです。
1回分解いて、解説を読んで理解して、メモして…を模試4つ分なので、妥当な時間だと思います。
薬ゼミ模試Ⅰ 13.5時間
薬ゼミ模試Ⅱ 15時間
REC模試 10.5時間
という内訳でした。
まとめ
今回は私が17日間で48点上げた間にやった具体的な勉強や時間などを公開しました。
合計91.5時間なので、1日平均だと5.5時間くらいですね。
少しでも参考になれば幸いです。
皆で一緒に、国家試験合格を勝ち取りましょう。