どうも、奨学金1500万プレイヤー阪大生のPEN(@PENwitmi)です。
どうやら薬学生のブログというのは需要があるようで、それならば書けることは書いていこうではないかということになりました。
今回はCBTの勉強法を思い出してみます。
ただ私は国公立大学の薬学生なので、CBTや国家試験対策が全体として疎かであるということを先に断っておきます。
私のCBT勉強の概要
CBTを受験したのは1/17でした。
流れとしては、
12/3にOSCEを受けて、12/5に初めてのCBT模試受験。
12/6~8に、6時間×3日でメディセレの講師によるCBTの解説。
12/23に自習を始め、1/14に終了。
その途中の1/5に二回目のCBT模試受験。
1/15,16の二日間で、受けた模試のやり直し、1/17にCBT受験。
といった感じですね。
ドタバタ感がすごく、あっという間の一か月でした。
今回はこの中の自習で何をしていたかに注目してみます。
講習を受けた部分だけまとめノートを作成
私の勉強を大別すると、①まとめノートを作るというインプットと、②模試をやり直して抜けを確認するアウトプット、の2つに分けられます。
ただ、とにかく時間が無かったので、①では講習を受けた部分だけに絞ってまとめノートを作りました。
実際に講義を受けたのはゾーン2とゾーン3のうち赤枠の部分。
ここを完璧にすれば合格するんだろうという都合のいい解釈で勉強を進めていました。
ゾーン1は得意だったので、模試を復習しただけです。
さて、私はとても暗記が苦手なので、こういう詰込み型のテストは非常に苦手です。
なのでインプットをする上では、ただノートに書き写したりするのではなく、あくまでも理解ベースで勉強をするようにしていました。
ノートはこんな感じ。
具体的には次の4点を意識的にやっていました。
①複数の範囲を跨いで理解しておく
薬学というのは、一つの現象がいっぱい細分され単元に分けられています。
(高校生物なんかもそうですね)
それらの細分されたものをくっつけることで、大きな流れとして理解することができます。
例えば、有害物質を例に挙げてみると、
ある有害物質は、何の酵素で、どのような代謝を受け、代謝活性物がどのように体に影響し、その中毒にどう対処すればいいのか、どのような法規制を受けているのか。
その酵素はもともとどんな官能基をどのように代謝するものなのか。
中毒は、どんな疾患や薬効に似ているのか。
といった感じ。
残念ながらもう忘れてしまったんですけど、当時はこれでかなり頭に入れていました。
こういうのって、あまり参考書には載っていないんですよね。
参考書に載っているのは、第一種特定化学物質の表だとかで、ある程度分類しやすそうな感じなものばかり。
表は表で大切なんですけど、それとはまた別の軸で理解しておくと、どっちかを忘れても答えにたどり着けるルートが残っています。
理解も暗記も、一つ一つの項目を網目状に繋げておけば、なかなか忘れないですよ。
②原則と例外に当てはめる
モノの名前とかだと難しいですけど、仕組みなんかは原則と例外に分けられるものがちょくちょくあります。
例えば自律神経系なら、
原則、アドレナリン受容体はα1、β2、ムスカリン受容体はM3がメイン。
例外として、心臓では-1してβ1とM2、腎臓もβ1。
原則、平滑筋ではβ2とα1では基本的にβ2が優勢。
例外的に、血管平滑筋はα1が優勢、他には瞳孔散大筋、前立腺もα1。
どこまで正しいかわからないですし、他にも例外はあるかもしれませんが、試験の上ではとりあえずこれで良いでしょう。
③一歩踏み込んで原理を理解する
表の丸暗記とかやってると量が尋常じゃないので、既に学習したことや他の単元内容なんかに意地でも繋げられるように理解を深めておきます。
一番わかりやすいのは禁忌薬でしょうか。
その疾患に禁忌である理由まで調べて書いておきます。
例えば「心不全にピオグリタゾンは禁忌」と覚えるのではなく、
ピオグリタゾンはインスリン抵抗性改善薬だが、体液貯留の副作用があり、心臓の前負荷の原因となる。
心臓の前負荷は心収縮力の低下に繋がり、RAA系を亢進して心不全の悪化につながるため、心不全には禁忌。
まぁわざわざここまで文章で書かないですけど、見てわかる程度にはメモしておきます。
一旦なるほどと思ったことも、時間が空いたら忘れてしまうので、簡単な内容でも出来るだけメモしておく方がいいですね。
あとは薬効なんかも、他の単元に繋げられますね。
狭心症発作には硝酸薬、で終わらせず、硝酸薬で何が起こるのかを自律神経系の内容と照らし合わせて理解しておきます。
血管内皮細胞のM3受容体がアセチルコリンを受け取ると、NOsを活性化し、NOがGCを活性化させてcGMPが上昇し、血管平滑筋が弛緩。
「元々こんな仕組みがある中で、直接NOを供給することで血管を弛緩するんだな」という理解までしておけば大丈夫です。
自律神経系の復習にもなりますからね。
④他の教材と行き来する必要が無いように書き込む
このノートを持ち歩けば勉強が完結するのが理想なので、関連する情報はどんどんノートに書きこんでいきました。
また、他のページに書いている情報にもすぐにたどり着けるように、何ページ目に載っているのか書いたり、タイトルをメモしておいたりします。
定着が甘いようなら、同じ内容を書き写しておくこともありました。
クロスリファレンスするのは大変ですからね、一旦労力を割いておくと後々のアウトプットがすごく楽になります。
インプットには、やはり定番の『薬がみえる』シリーズを併用するのがオススメです。
大学の無駄に高い教科書の数倍わかりやすいし、これなら卒業後にも使えます。
vol.1~3までありますが、苦手な疾患領域があればその範囲のものから買いましょう。
自分で無理やり勉強するよりもはるかに効率が良いです。
vol.1は神経系、循環器系、腎・泌尿器系。
vol.2が代謝系、内分泌系、産婦人科系、血液系、免疫・アレルギー系、眼・耳・皮膚系。
vol.3が消化器系、呼吸器系、感染症、悪性腫瘍。
国試でも大いに役立つので、CBTの段階から『薬がみえる』シリーズを使って勉強することをおススメします。
というか早めに入手しないと、マジで後悔します。
模試の解き直し
ノート作りが終わったのがCBT本番の3日前で、ちょっと焦りましたね。
丁寧にインプットすると、結構時間がかかるのが玉に瑕です。
模試は、ゾーン2、ゾーン3、ゾーン1の順に、二つの模試を跨いで演習しました。
一つ目の模試のゾーン2の演習→その内容を完璧にする→二つ目の模試のゾーン2→…という感じです。
模試の冊子には自分が会場で解いたときのマークが残っていますが、どうせ合っている間違っているという観点で演習をしないので無視しました。
ノートに解きなおす
この解きなおしはノートにひたすら問題番号と選択肢の番号を書いていくようにしました。
解きながら、分からなかった問題の番号には〇しておくなりして、後で見て分かるようにします。
全選択肢に対する考察が出来たらOK
解きなおしにおいて、点が取れているかどうかというのはどうでもいいことです。
内容が理解できているのかどうかが肝なので、たまたま正解したようなものが無いようにしていきます。
具体的には、他の選択肢を全て根拠を持って違うといえる、かつなぜそれが正解なのかわかる、というようにします。
これが出来なかった問題は、分からなかった問題としてマークします。
分からなかったものは模試を解いたノートにどんどん書いてまとめていきます。
自分のインプットノートに載っていることなら反省。
載っていないことなら適当にまとめて終わり。
全ての問題がOKになったら、再度通しで模試を解く
とりあえず全選択肢に対する考察をノートにまとめたりできたら、再度同じ模試を解きます。
この段階で覚えられなかったものは定着が悪いので、意識的に覚える必要があるものとして認識しておきます。
そして迎えたCBT本番
CBTは無事合格しました。
何%くらい正解していたのかはわからないですが、体感としてはそれぞれのゾーンで、90%、75%、75%くらい取れた感触でした。
一番効果的だったのは、やはり模試の解きなおしでしょうか。
講習を受けなかった部分についても、一通り勉強することになるので。
ただ私は記憶力が悪いので、インプットの過程無しでは無理ですね。
多分国試でも同じようなステップを踏みます。
具体的にどの範囲を勉強したのか
CBTって国試ほどではないにしても、範囲が広いですよね。
やっぱりその中でもよく出るところに力を割きたいものです。
私は、メディセレ講師の3日間の講義内容に絞ったのですが、実際に結構点に繋がったんじゃないかなぁと思います。
同じような勉強をする人がいるかもしれないので、具体的に章番号などを残しておきます。
私が使ったのはメディセレのLet’s CBT!ですね。
調べものには学校プリントなども活用しました。
実際の勉強順に紹介していきます。
ゾーン3
・4部 環境
2章 生活環境と健康
A地球環境と生態系
B水環境
C大気環境
D室内環境
E廃棄物
F環境保全と法的規制
1章 化学物質の代謝・代謝的活性化
A化学物質の代謝・代謝的活性化
B化学物質による発がん
C化学物質の毒性
D化学物質による中毒と処置
F非電離放射線
・3部 健康
1章 栄養と健康
B食品の品質と管理
C食中毒
2章社会・集団と健康
A保健統計
B健康と疾病をめぐる日本の現状
C疫学
3章疾病の予防
B疾病の予防とは
C感染症の現状とその予防
E職業病とその予防
ゾーン2
・1部 薬の効くプロセスA
1章 薬の作用と生体内運命
A薬の作用
2章 中枢神経系に作用する薬
A全身麻酔薬
B催眠薬
C鎮痛薬
D抗てんかん薬
E抗パーキンソン病薬
Fアルツハイマー型認知症治療薬
G統合失調症治療薬
H抗うつ病
I抗そう病
J神経症・心身症の治療薬
3章 自律神経系に作用する薬
A末梢神経系
B交感神経興奮様薬および遮断薬
C副交感神経興奮様薬および遮断薬
10章 血液・造血器官に作用する薬
C抗血栓薬
11章 代謝系に作用する薬
A糖尿病薬
B脂質代謝異常症治療薬
C痛風治療薬
D骨粗鬆症治療薬
・3部 薬物治療
2章 心臓・血管系の疾患
A不整脈
B心不全
C高血圧
D虚血性心疾患
E狭心症
F心筋梗塞
3章 血液・造血系疾患
A貧血
C急性白血病
D慢性骨髄性白血病
E播種性血管内凝固症候群(DIC)
F血友病
G特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
5章 腎臓・尿路の疾患
A腎不全
Bネフローゼ症候群
C糸球体腎炎
7章 呼吸器・胸部の疾患
A気管支喘息
B慢性閉塞性肺疾患(COPD)
C肺炎(肺胞性肺炎)
D間質性肺炎
E肺結核
補足肺真菌症
18章 病原微生物・悪性新生物と戦う
A抗菌薬
まとめ
この辺で勉強の振り返りを終わります。
CBT受験予定の読者の方は、頑張ってください。
私は超スロースターターの短距離走者なので、参考にしすぎないように…。