どうも、PEN(@PENwitmi)です。
バンドアンサンブルにおいて、ギターはその役割に応じた音作りが求められます。
バンドの方向性や目指す音の“重さ軽さ”によっても音作りは変わってくるので、ギターの音作りには一概にこれが答えというものはありません。
私は特に女性Voのポップスバンドで演奏することが多いので、それらを軸にした具体的な音作りの考え方を紹介します。
今回はリードギターとバッキングギターに分けています
それぞれで適切なEQ(イコライジング)は変わってくるためです。
多少ジャンルが変わっても、いくらかは参考になると思います。
特にテレキャスター、ストラトキャスターを使っている人には役立つはずです。
音作りはギター単体で考えない
リードギターであろうと、バッキングギターであろうと、ギター一本で鳴らしたときの印象で音を判断するのは危険です。
音作りの軸が定まっていない初心者、初級者(と中級者)は特に注意してください。
ベースなど他の楽器がいるときと、ギター単品で弾くときでは、どんな音が良い音かは違います。
ギター単品で音作りをすると、ボーカルの声を邪魔するような音になってしまう可能性が高いということを覚えておきましょう。
(バンドの方針としてギターが主人公だ、というのであれば別にいいのですけれども)
EQの役割、効果を理解しておく
EQとは大別してTreble・Middle・Bassのことですが、これらを単に高音域・中音域・低音域と考えていると、音作りはうまくいきません。
それぞれにはギターの音作りにおける役割があります。
大体でいいので、ある程度の役割は理解しておきましょう。
(ミキシングなどをしている人は「何Hzの音が何の機能」という非常に細かいレベルで把握している方もいますが、私はざっくばらんにしか理解していません)
簡単にまとめると、
Middle:音の抜け、主張
Bass:音のどっしり感、太さ
こんな調節が出来ると思ってください。
これについては以前の記事で詳しく書いているので参考にしてください。
リードギターの音作り
リードギターの音作りの考え方
リードギターもバッキングギターも、ボーカルを邪魔しない音を目指すという意味では同じ目的で音作りをします。
ただ、リードギターはこれを「ボーカルのいる音域を避ける」ことで達成します。
無駄な音域を出さず、ボーカルのいない音域に逃げていくイメージですね。
出す音域をちゃんと絞れば、むしろ抜ける音になってリードギターの役割を果たせます。
ボーカルの声質にもよりますが、女性Voの場合は高音域をボーカルに明け渡して、中音域〜低音域の方向に逃げていきます。
間違えて音域を被せてしまうと、ボーカルが全く聴こえないなんてことになるので注意しましょう。
実際の音作りの流れ
ストラトキャスター、テレキャスターなどのシングルコイルのギターで女性Voの曲をやる前提で話をします。
(とても限定的ですが、限定しないと具体的に話ができません)
どのような場合も流れには大差がないと思います。
今回の場合、私は次のように音作りをします。
①ハイを下げる:アンプのTrebleやギターのToneを下げる
②ローを切る:アンプのBassを下げる
③ボーカルとのバランスを確認する
④音抜けを調節する:アンプのMiddleを上げ下げする
フルテンというのは、全開という意味です。
まず①アンプのTrebleを絞り、場合によってはギター本体のToneを絞って高音域を空けます。
高音域がなくてもバンドとして音はちゃんと抜けるので安心してください。
このままだと音がモコモコするので、次に②アンプのBassを下げて低音域を空けます。
音がスッキリする上、ベースの邪魔をするのを避けられます。
Bassを絞りすぎると、少し音圧が足りなくなってしまうので、ここは様子を見ながら下げますね。
①と②の順番は、それほど重要ではないのでアレンジしてもらっても大丈夫です。
さて、この時点で、音の方向性は決まります。
出来るなら、③ボーカルと合わせて音を出してみて、聴こえ方を確認してみてください。
同じ音量くらいで、両方が明確に聴こえるのが目標です。
そして最後に、④Middleをいじって少し音抜けを調節します。
ボーカルとのお互いの主張のバランスを整えるイメージですね。
あんまりにも主張が激しいようなら、ギター本体のVolを下げることも視野です。
EQは引き算する
下げてばっかりに思われるかもしれませんが、これは音作りの基本です。
元々ギターの音には様々な音域が含まれているので、不要な部分を引き算し、必要な部分を相対的に強調するのです。
特にシングルコイルギターの場合、高音域がそのまま出力されているので、私は削っていくことが多いです。
バッキングギターの音作り
バッキングギターの音作りの考え方
バッキングギターもボーカルと被らないように音作りをするのですが、方針が少し異なります。
バッキングの場合は、引っ込むような音を目指します。
具体的には、リードギターに比べて低音域(ロー)を少し増やして、EQをフラット気味にします。
フラットといってもツマミがすべて12時という意味ではありません。
全弦がバランスよく鳴るように、調節するということです。
こうすることでボーカルの邪魔をせず、なおかつ全体の音圧に貢献するような音ができるのです。
特にもう一本ギターがいる場合は、音が明確にくっきり聴こえる必要はあまりありません。
必ずボーカルと同時に聴いてみて、ボーカルの邪魔をしていないことを確認します。
実際の音作りの流れ
バッキングの音作りでも、リードギターのときと順番にあまり違いはありません。
大きな違いは、Bassを絞りすぎないこと、MiddleやギターVolを積極的に絞ることです。
①ハイを切る:アンプのTrebleやギターのToneを下げる
②ローを調節する:アンプのBassを下げ気味にする
③ボーカルとのバランスを確認する
④音抜けを調節する:アンプのMiddle、ギターのVolを絞る
まず、最初にハイ(高音域)を削ります。
目安としては、思いっきり適当にかき鳴らしても耳が痛くない程度ですね。
耳障りの良い音にするのです。
マーシャルアンプなんかだと、Trebleが0(7時の方向)になることもあります。
次にロー(低音域)を調節しますが、ここでBassをあまり削りすぎるとリードギターみたいになってしまうので、注意しましょう。
削りすぎると、バンド全体の音として寂しくなるという欠点もあります。
音の輪郭がぼやけてしまわない程度にします。
ストラトやテレキャスなら、8~12時くらいの位置にツマミがくることが多いです。(あくまでも目安です)
よく分からなかったら、11時にしておく、というのも手ですね。
コードを弾いてみて、5弦や6弦の主張が激しすぎない程度に下げます。
ここまででおおよその音の方向性が決まり、次に主張具合を調整します。
ストラトやテレキャスなどのシングルコイルのギターであれば、ここでギター本体のVolを少しだけ絞ってみましょう。
個体差がありますが、8くらいがちょうどいいです。
そうすると、音量そのもの以外に、ちょっとだけ音に元気がなくなります。
この状態にすればボーカルを邪魔することはかなりなくなります。
ハムバッカーも本体Volで調整できそうですが、あまり実験したことがないので…すいません。
もしあまり変わらないようであれば、アンプのMiddle9時くらいまで下げるといい感じになると思います。
動画で音の変化を確認しよう
以前の記事で既に、ギターとアンプだけで音作りをした動画を撮影しています。
ぜひこの記事を参考にしてみてください。
とにかくアンプを触ろう
初心者の方にとって音作りは難しいと思います。
ただ、中級者になれば余裕というわけでもありません。
音作りは、ずっと自分なりの答えを探し続ける終わらない旅です。
実際にアンプを触っているうちに、何となくわかるようになってくるものです。
分からないなりにでも、たくさん試行錯誤してみてください。
その過程で、この記事が少しでも役立てば幸いです。
初心者の方は、エフェクターの力を借りることも大切です。
初心者だからといって安いエフェクターを使うと、かえって音作りが難しくなってしまいます。
ぜひこれらのエフェクターを試してみてください。