どうも、奨学金1500万プレイヤー阪大生のPEN(@PENwitmi)です。
無事に新人薬局薬剤師としてスタートを切ってみるとわかるのが、圧倒的知識不足。
先輩薬剤師の知識量に圧倒されながら、患者さんとの会話を盗み聞きながら、インプットの必要性をひしひしと感じています。
特に怖いのが、患者さんやお医者さんからの質問。
「これに答えられるようにならないといけないよな…」というプレッシャーを感じています。
幸い私は隙間時間に本を読んで勉強してもいいことになったので、さっそく2冊の書籍を購入。
これがものすごくよかったので、皆さんにも情報共有しておきます。
国試を控えた薬学生の方は、「そのうちこういう勉強が必要なんだな」という程度に流し読んでください。
新人薬局薬剤師向けの本①『日経DIクイズベストセレクション BASIC篇』
質問と服薬指導をベースとしたインプット
実際に薬剤師として仕事を始めると、想像以上に患者さんからの質問が多く、それも多種多様であることに気づきます。
「これとこれって一緒に飲んで大丈夫?」
「うちの子〇〇な感じなんですけど…」
「これよー効くん?」
といったイメージ。
そしてその多くは、薬学部で習ったことや国家試験で勉強したことで対応できません。
困っていたところに見つけたのが『日経DIクイズベストセレクション BASIC篇』です。
一つの質問を軸に、その疾患や薬についての情報が、わかりやすく簡単にまとめられています。
「薬について聞きたいことがあるのですが」――。患者からこう質問を受けた際に、適切に答えるには、臨床医学や薬に対する十分な知識に加えて、患者に分かりやすい説明を行うスキルの習得が必要だ。ここでは、「患者からの質問」に基づくクイズ形式で、服薬指導に役立つ実践的な知識と患者への説明のノウハウを学んでいく。
日経DIクイズベストセレクション BASIC篇
隙間時間の勉強に最適な構成
『日経DIクイズベストセレクション BASIC篇』は、1ページに1問というわかりやすい構成になっています。
表に問題、裏に答え・解説・服薬指導例が載っています。
一つの項目を読むのに大して時間を取らないので、業務のちょっとした隙間時間に勉強するのに使いやすいです。
私は、比較的暇になりやすい夕方前後の時間に、よく読んでいます。
内容が非常に基本的なので、すでに何度も見ている薬であったり、疾病であったりが対象なのも非常にいいですね。
薬学生へのオススメ度…70点
このブログには薬剤師よりも薬学生のアクセスの方が多いので、薬学生にどれだけ役立つのかも併記しておきます。
『日経DIクイズベストセレクション BASIC篇』はあくまでも薬剤師向けの書籍です。
なので国家試験対策には直接は役立たないことも多いですが、コラムとして読むのは面白いと思います。
最近の国家試験では現場を意識したような問題もちらほら見られるので、全く役に立たないということはないでしょう。
またいずれにせよ、そのうち必要な知識なので、国家試験が終わってから業務が始まるまでの間に読むことをおススメします。
(そうしなかったことを後悔しているので)
あなたの服薬指導・質問の不安が解消される
私はこの本を読み始めて、漠然と抱いていた不安が一気に晴れました。
新人薬剤師の不安を取り除くのにうってつけの良書です。
新人薬局薬剤師向けの本②『薬局で使える実践薬学』
「薬学部」と「薬剤師」の溝を埋める
薬学部で習うことと、国家試験で出題されることは、少し異なります。
それと同じように、これまでに習ってきたことと、現場で必要な知識も異なります。
「もっと現場で必要なことを教えてくれよ」という声が出るのも、わからなくはないという印象です。
『薬局で使える実践薬学』は、そんな「薬学部」と「薬剤師」の間の溝を埋めるような本です。
これを読んでみると、
「あ、薬物動態学ってそうやって使うんだ」
「細かい薬理学って、そういうときに必要なんだ」
という気づきがありました。
添付文書情報や薬学部で学んだ知識を120%活かすための”考え方”を学びませんか?
山本雄一郎『薬局で使える実践薬学』
読みやすいストーリー形式
『薬局で使える実践薬学』は全部で12個のパートに分かれていて、1つのパートごとに1つのテーマについて深く掘り下げていくような構成です。
たとえば最初のテーマは睡眠薬で、
「半減期24時間のユーロジンは飲むと1日中眠くなる?」
というお題から始まります。
「半減期24時間の薬を毎日飲んだら、薬剤学(薬物動態学)的には数日後には定常状態に達しているはず…」
そうして気付いたら夢中になって読んでいました。
3人の薬剤師の会話形式になっているため、非常に読みやすく面白いです。
私は教科書は嫌いですが、ストーリー形式は読むのが苦になりませんでした。
隙間時間というより、暇な時間に読む
ストーリー形式で、一つの内容について深く掘り下げていくような感じなので、読み切るには少し時間がかかります。
私は特に暇になりやすい、夜の閉局直前によく読んでいます。
薬学生へのオススメ度…60~90点
国家試験との直接の関連性は薄いため、『薬局で使える実践薬学』は60点とさせていただきました。
マイスリー(ゾルピデム)とアモバン(ゾピクロン)の使い分けや、苦さの話なんかは、国家試験では必要ありませんからね…。
薬の薬効や定常状態について深く考える機会も、なかなかありません。
しかし、国家試験の直前期ではなくCBTが終わったばかりの5年生であれば、一気に90点まで跳ね上がります。
国試と直接関係ないだけで、薬学と臨床をつなぐという意味では最適な書籍です。
低学年が読むには基礎知識がいろいろ足りないだろうということで、5年生に最もおススメしたいですね。
大学で学んだ知識をランクアップさせる
臨床における薬の用法や副作用などを、薬理学や薬物動態学から考える。
大学で学んだ様々な知識の点が、一気に線になって繋がります。
この一冊を読みこなし、キャリア10年に匹敵する力を付ければ、患者さんからの信頼や年収などの大きなリターンを得られるはずです。
さいごに
国家試験が終わって、薬学部を卒業して、薬剤師になっても、勉強は続きます。
私は特にインプットが大好きなので、生涯何かしらの勉強は続けると思います。
もし薬局で勤務する(/している)人の参考になれば幸いです。